2014.01.06
さて2014年最初のブログは、柳原病院から大島訪問看護ステーションに異動し、訪問看護を始めてまだ1年未満のNMさんをご紹介します。
正確に言うと、NMさんが書いた「書評」のご紹介ですね。これは健和会グループの機関紙に掲載されたものです。私ブログ担当がこれを読んで大変感動し、NMさんの許可を得てここにご紹介させて頂きます。
NMさんはじめ素晴らしい訪問看護の皆さんと、ともに働ける幸せを感じる新年です。
この本は、介護問題で活発な発言をつづける上野さんが、在宅医療に携わって24年の医師に、『「家にいたい」はお年寄りの悲願』を出発点に、どうしたら在宅ひとり死が可能なのかを探って質問する形で展開している。
で も現実には、経済的な理由からの在宅も多いし、そもそも高齢者にとって、在宅は施設より良いと言い切れるのだろうか?不自由な体になった高齢者にとって は、常に誰かがそばにいるわけではない在宅は、不便さも多い。転んでもすぐに誰かが起こすのは不可能だし、施設ほどオムツをこまめに換えることはできな い。
私 は病棟で4年働いた後、訪問看護にきて半年経ったが、施設に入った方が、受けられるケアの質は上がるのにと思うケースも少なくない。しかしなぜか、自らの 意思でそのような生活を選択している場合も多い。その意味では確かに高齢者にとっては家が一番良いのかもしれず、それを不思議と思ってしまう私は、まだま だ高齢者の気持ちを理解できていないのかもしれない。でも在宅で利用できる様々なサービスすら拒否して、劣悪な環境やQOLで暮らしている利用者を前にし て、これで良いのかと悩むことがあるのも事実だ。
関 係者は全員、在宅継続は困難と見ているにも関わらず、本人たちは在宅生活を希望しているある高齢夫婦に関して、先輩たちが今後について話していたことがあ る。先輩は「行く所まで行くしかないんだよ」と言った。異動して2ヶ月目の私には衝撃的な言葉だった。この言葉には、見放すでもなく、無理に従わせるので もなく、彼らの気持ちの変化を待ち、変化を察知したら再び改善案を提案していくというように、利用者にずっと付き合っていくという意味が込められている。 そうまでして利用者の意思を尊重するのは、それこそが人としての尊厳を守ることだからなのだろうと私は思った。言いたいことをぐっとこらえて見守ってい く、こんな心境に私もいつかなれるのだろうかと思ったものだ。
し かし6ヶ月経った最近、私が担当していて、親子で取っ組み合いの喧嘩ばかりだが一緒に暮らすことを望んでいる親子について、先輩に「これからどうなってい くのかな?」と問われ、「そのつどその時になって考えてみるしかないでしょう」と答えていた。私もとことん利用者に付き合っていく覚悟が徐々にできつつあ るのかもしれない。
と いうわけで、上野さん、年を取った時、在宅はあなたが想像するように自由ばかりがあるわけではなく、不便さに満ちた世界かもしれません。しかし私たち訪問 看護師は、あなたの意思をないがしろにすることだけはしません。誰よりも力強い意思を持ったあなたと、とことん付き合う覚悟で、私たちは待っています。
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