看護部ブログ|治療中止の意志決定と在宅での看取り@事例検討会(訪問看護ステーション) 看護師 既卒中途採用 求人応募 東京 埼玉
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2013.04.25
東京都足立区・墨田区・葛飾区・江東区・江戸川区・港区・埼玉県三郷市に11ヶ所の訪問看護ステーションを展開する健和会訪問看護ステーションです。こんにちは。
定期的に事例検討会を開催している健和会訪問看護ステーションですが、今月も感動と白熱の90分でした。
今月は足立区の柳原病院を会場に、総勢50名近くの看護師(&ケアマネさん1名)が集まり熱気あふれる検討会となりました。参加者の中には今年度柳原病院に入職し、訪問看護コースを選択した新卒ナース4名の姿もありました。新卒の時からこの事例検討の洗礼を受けていたら、思慮深く優秀な訪問看護師になること間違いなしです。
さて今月の事例は、治療を中止し最期まで在宅で過ごすことを強く望んだ高齢の男性A氏への看護です。
A氏の場合は、治療に伴なう移動に大きな身体的苦痛を伴いました。またその苦痛を取り除くためには入院がどうしても必要でした。
A氏は全てにおいて自分の考えをしっかり持ち、その考えに従って生きてこられた方です。それでも娘の「治療を継続して長生きしてほしい」という願いを聞き入れて、辛い治療も頑張ってきました。
そんなA氏でしたが、強くなる苦痛と同時に、進行する病状を自覚していたのか、いよいよ「入院は絶対にしたくない。家に居たい。治療も中止したい。」と、はっきりと意志表示されました。
A氏の治療中止イコール「死」です。それもA氏の場合は月単位ではなく、おそらく数日で。
主治医も訪問看護師も、何とか苦痛を減らして治療を継続できないか、薬の調整や処置の方法に工夫を重ね最善を尽くしてきました。しかし症状の進行は止められませんでした。
ついに病院の主治医から往診医へと引き継ぎが行われました。
往診が開始された日、往診医とA氏との対話を聴いたご家族も看護師も、A氏の意志は強固であると納得。治療は中止され、A氏は完全な在宅療養へと切り替わりました。その時のA氏の安堵の表情は看護師の心に残るものとなりました。
その後看護師はA氏の苦痛を伴う処置の回数を減らしました。定期的な訪問看護に臨時も加えて、ご家族の介護疲労の軽減につとめました。
A氏は孫やひ孫と話したり、少量ですがお酒や寿司も楽しむ日々を過ごされました。
A氏が息子とやっとお酒を飲みながら話ができた夜は、孫やひ孫も遅くまでベッドのそばで遊んでいたとのことでした。
その翌日未明、A氏は息を引き取りました。
訪問看護師は妻や長女や孫たちとケアを行ない、最後のお別れをしました。
A氏も頑張りましたが、ご家族からも「私たちも頑張った」という言葉が聞かれました。
事例検討会にはA氏が通院していた病院の師長と看護師の参加もありました。
「この治療は始めたら最後まで行うのが一般的で、A氏からは新しい発見があった。高齢者や認知症の方も増える中で抑制して治療することもあり、これでいいのかと悩むこともあった。中止するという選択肢、家で亡くなるという選択肢もあるのだと、これからは伝えられるかもしれない。揺れ動くご家族の気持ちを訪問看護の皆さんから学ばせて頂いた。病院では見せない様子が見えた。その人がその人らしくという生き方を支えて頂いた。」
師長からはそのようにコメントがありました。
どのような安らかな最期であっても、「もっとできたことがあったのでは」と看護師は必ず考えます。
「私ならどのように判断したか。」グループごとに活発に意見交換しながら、それぞれが一人の看護師として、人生観・看護観・医療観を深く掘り下げた事例検討会でした。
最後まで誇り高く生き抜いたA氏へ、またA氏を最後まで支え続けたご家族、医師、看護師、関係者の皆様に、心より敬意を表します。
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